治療のこと

むし歯と歯周病と力の問題

どのような時に「歯医者に行こう」と思いますか?

・歯が痛い時
・詰め物、被せ物が外れた時
・歯ぐきが腫れた時
・入れ歯が壊れた時

などなど、口の中の問題はたくさん起こります。
基本的には歯の問題は食事に直結するので、早く解決したいですよね。

歯の問題は大きく分けて3つのカテゴリーに分かれます。

むし歯
歯の表面に停滞した汚れから、菌の出す酸によって歯が溶かされてしまい穴が開いてしまう。それにより歯の内部までむし歯が進行し、ひどくなると歯の神経まで痛むことも。
一度治療を始めた歯は、きちんと日頃から汚れを停滞させないようにしないと、またむし歯になってしまい治療を繰り返してしまいます。再治療にならないように予防をしていくということが重要になってきます。
歯周病
歯の周りについた汚れは時間が経つと歯ブラシでは取りにくい「歯石」というものに変わります。そこにさらに汚れが付きやすくなりその菌の集合体から排出される毒素によって、歯の土台の骨が溶かされて歯ぐきが下がって土台を弱くして行きます。
歯周病になった歯ぐきは出血しやすく腫れやすくなり、全身にも影響を及ぼします。
咬み合わせの力のバランス
人が上の歯と下の歯を咬み合わせる時、体重と同じくらいの力がその歯にかかっています。正常であれば1日のうちに上と下の歯が接する時間は食事も含めて20分しかありません。しかし現代では、寝ている間の食いしばりや歯軋り、起きている間も噛み締めている癖がある人も多くいます。通常よりも何倍もの時間、大きな力が歯にかかることにより、虫歯になっていないのに歯がしみたり、欠けたりしてしまうことが起こり、ひどい時は神経の痛みや歯が割れてくることもあります。
顎関節症の原因にもなり、口が開きづらくなったり、開けると音が鳴ったり痛みが出ることも。

予防するには

ではそれらの3つを予防していくには、どういう方法があるのでしょうか?
基本的には毎日ご自身で行うことが一番大切です。
おうちでの生活、習慣、ブラッシングの仕方など、トータルで考えていくことが必要です。
お話をしたりお口の中をみせていただくことで、ご自身では意識していなかった良くない習慣や、気づいていなかった磨けていない場所など、医院でお伝えすることができます。
むし歯
汚れの除去と、シュガーコントロールをします。毎食後のブラッシング、デンタルフロスや歯間ブラシの使用、歯磨き粉によるフッ素の取り込みなど。菌の繁殖の原因になる糖の摂取の量とタイミングを検討します。おやつをダラダラと食べたり、飲み物で常時糖を摂っているとむし歯ができやすい環境になってしまっているので、メリハリをつけて摂取をします。
歯周病
汚れの除去と歯石の除去を行います。ご自宅ではむし歯の予防と同様です。医院では歯ブラシでは取りきれないバイオフィルムや歯石を、専用の機械を使って除去します。
歯ぐきの検査やレントゲン撮影を行い現状把握と病状の推移などを定期的に記録して行きます。
咬み合わせの力のバランス
日常では、昼間の食いしばりに気づいた時に力を緩めるように意識して行きます。良く目につく場所にポストイットなどで注意喚起を行うのも効果的です。
医院でマウスピースを作成し、就寝時に着けることも負担の軽減に役立ちます。

歯の寿命を延ばすために

歯は一度削ってしまうと元には戻りません。
むし歯の治療は、元通りにすることではなく「修復」することです。
小さなむし歯から小さな詰め物になり、そこからむし歯が再発して大きな詰め物になります。
大きな詰め物が合わなくなり、神経までむし歯が進むことで神経をとって全体を覆う被せ物になります。
神経を取った歯は、かみ合わせの力などで割れやすくなり、割れた歯は抜かないといけなくなります。

また、歯周病になった歯は何もしないとどんどんと土台の骨を失い、歯はグラグラとして最終的には痛くて噛めなくなります。

こういったことで失った歯を補填するために、周りの歯を削って繋いだり、入れ歯を入れていくのですが負担のかかる隣の歯はだんだんと弱っていきます。

ではどうすれば歯の寿命を延ばせるのか?

やはり日々の予防と、定期的な医院での定期検診が有効です。
ご自身では見つけられない小さなむし歯や、取りきれない汚れ。
症状がなく簡単に直せるうちに治療を行い、そこを再感染させないために汚れにくい状態を継続する。
痛みが出たり、外れてからでは大きな治療になることが多いので、そうなる前に見つけ出して行きましょう。
何かが起こる前に気づいて対処できるように、また起こってしまった時もかかりつけとしてしっかりと対処できるように。
ライフスタイルに合わせて長くお付き合いできる医院として、ともに健康を考えて行きましょう。
PAGE TOP